春日高校の生徒のみなさんへ

記事公開日:2020年4月14日

 新年度が始まり、ほぼ一週間が過ぎましたが、どのように過ごしていますか。新型コロナウィルス感染防止策として、5月6日まで臨時休業中ですが、感染防止について高校生の視点から考えることと、現在、学校が取り組んでいることについてお伝えします。

1 感染防止に向けて、万全の注意をしてください。
 正常性の偏見(バイアス)という言葉を知っていますか?防災訓練の時など、その講評の中でよく聞く言葉だと思います。危険が押し迫っているときに、「まさか自分にその危険が及ぶことはないだろう。自分だけは大丈夫。」という科学的根拠のない、迫ってくる危機を軽視する感情、いわゆる希望的観測(すなわち自分事としてとらえない感情)といわれるものです。つまり、私たちは無意識のうちに、迫り来る危機に対して他人事として考える習性を持っているということです。このことを意識することは、今回に限らず、これから皆さんが長い人生を生きていく上で大変重要となります。
 さて、今回の新型コロナウィルス感染症(COVID19:CoronaVirus Disease 2019)について、高校生の皆さんには、高校生物レベルで理解し、科学的に対処することが求められると考えます。よって、以下、COVID19について再確認をしたいと思います。
 これまで分かっている多くの情報を整理して見ると、COVID19は大変やっかいなウィルスによる感染症であることがわかります。2年生以上の生徒の皆さんは1年生の「生物基礎」の中で学んだように、ウィルスは生物の最小単位である細胞ではないため、細胞膜もエネルギーを産生する細胞内小器官も持たず、単独では自己増殖ができません。ですから生物の粘膜をとおして生体内に入り込んで、宿主(今回の場合はヒト)の力を借りて自己複製を繰り返して増殖し、さらに、他の生体内に乗り移る(いわゆる感染)ことで、増殖を続けます。数年前に流行ったSARSウィルスは、感染者の多くが発症し、その致死率も今回のものに比べて高いものでした。つまり感染の危機が分かりやすいのです。しかし、今度のCOVID19は、わかりにくい感染をしています。つまり、感染しても無症状の人がいるということ。そしてクラスター感染でも知られるように、一人の感染者が多くの感染を引き起こすこと。そして潜伏期間が2週間と長いことです。3月23日時点での情報では、無症状陽性感染者の感染力については、未だ不明な部分が多いものの、症候の有無に関わらず同等の感染リスクを有する可能性があると考えて感染防御策を行う必要があるとのことです。ということは、このウィルスは既に市中に相当量存在していると考えるのが、これ以上の感染を防御する意味でもよさそうです。ですから、いわゆる「三密」対策と徹底した石けんによる手洗い(ウィルスの表面の膜は界面活性剤(つまり石けん)やアルコールに弱い)を行うことが大変重要であると言われる意味がよく理解できます。生徒の皆さんと、皆さんの周りの大切な方々の命を守る行動を、決して油断することなく、高校生としての科学的な視点からの感染防止に向けた行動をお願いします。 

2 現在、学校をあげて皆さんの自学をすすめるためにできる最大限の研究をすすめています。
 本日、3年生向けに郵便物を発送しました。2年生も近々発送するための準備をすすめています。1年生はClassiの導入は終了しましたか。導入ができない人や導入方法が不明な人は、早めに連絡してください(iphoneからのログインに困難を要していることは把握しています。早急な対応を運営会社にお願いしています)。学校から与えられている学習支援教材を活用した学習と合わせて、活用してほしいClassiの中には、いろいろな学習コンテンツが含まれています。学習コンテンツは、全て自由に閲覧したり問題を解いたり、是非とも自学に生かしてください。しかしながら、中には春日高校の皆さんには最適化されていない部分もあるかも知れません。そこで、先生方は、これを補うためのコンテンツ作りに向けた準備に入っています。まずは学年団の紹介からになりますが、これから徐々に春日生に最適化されたコンテンツが増えていく予定です。発信されたコンテンツは、決して一方的に、つまり受け身になることなく、その内容についての感想や改善意見等、しっかりと学校にフィードバックしてください。これらの意見を参考にして完成度を上げたり、次のコンテンツ作りに生かしたりしていきたいと考えています。  
 なお、双方向型の学び(皆さんの顔(反応)を見ながらすすめる学び)についても、平行して研究を進めていきます。いくつかの乗り越えるべき壁があり、今すぐという訳にはいきませんが、徐々に転換をはかっていくことができればと考えています。
 最後になりますが、一日も早く皆さんが登校でき、学校に活気が戻る日が来ることを楽しみにしています。そして、持ち前の自己管理能力を発揮した「COVID19」と「自分」との闘い、心から応援しています。

令和2年4月13日
福岡県立春日高等学校
校長 花田 亮二

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  • 16(月) 三者面談(3年)
  • 18(水) 三者面談(3年、1.2年希望者)
  • 23(月) 冬季セミナー1